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113. (ひざが)死ぬまでに見たい絶景

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  いやはや、木立の間をくぐり抜けるとこんな絶景が広がっているなんて。 テレビや写真で見たこともあるのに、まさかここまでとは。 360度見渡してみなければ分からない迫力。 確かに拝みたくなるような雄大さです。

104. 初雷と、節分のお豆

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  気がつくと4月! 「1月は往ぬる、2月は逃げる、3月は去る」というように、本当にあっという間。 最近の1月は、なじみのない「往ぬる」より「行く」に変わってきているのでしょうか? そんな3月の末に、雷が鳴った日がありました。 この時期に雷が鳴ると思い出す話があるのです。 高知市の土佐山地区では、節分の豆を神棚に祀っておいて初めて雷が鳴った日に食べる、という風習を残しているお家があるそうです。 知り合いの家には小さなお子さんがいて、お豆を食べるのを楽しみにしていたとのこと。 その年の初雷は、なぜか午後2時くらいに一回こっきりゴロゴロと鳴って収まりました。 のどQはちょうど静かな場所にいて、「雷イヤやな」と思ったので覚えてました。 でも、忙しい大人は聞き逃してしまうレベルのもの。 しかし、そこはお豆を楽しみにしているお子さんのこと。 はっきりと聞いてました。 家に帰って、お母さんに報告。 豆を食べる気まんまんです。 なのにお母さんの耳には雷の音は届いておらず。 「お豆が食べたいきってウソはいかん」 なんて言われてしまいましたとさ。 残念。 もうお豆を喜ぶ年齢でもなくなったかもしれないけど、初雷を聞くと「あの子は今日お豆を食べるのかな」と微笑ましい気持ちになるのです。 この風習、もう少し難易度の高いものもあるらしいのです。 UFO事件でおなじみの介良(けら)あたりの話とのこと。 その年の節分に煎った大豆を『鬼の目』と呼ぶのだそうです。 毎年最初に雷が鳴った瞬間、真昼であろうが真夜中であろうが、時間をとわずいつでも鬼の目を家族一同で一粒づつ食べるのだそう。 その時家族の誰かが不在の時は、その分だけ残しておくのだそうです。 昔は更にこの鬼の目を大神宮に祭り戴いたとのことであるから、なかなかに厳粛。 この鬼の目を食べておけば雷に打たれないということらしいです。 ずいぶん昔の本に載っている話ですが、現在も守っているお家があるのかもしれませんね。 高知県の西部を「幡多(はた)」と呼びますが、『幡多郡誌』に雷の迷信がいくつか載っていました。 「雷は神である」 雷神・風神の絵、思い浮かびます。 「雷は雷獣と称するテンのごとき動物である」 意外にかわいいなあ。ピカチュウか? 「雷はへそを好み、...

88. 草履の呪力を知ってるかい?

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  本来の役目を果たしながら、魔除け・厄除け・厄払い・厄落としにもなるアイテム。 あらゆる災いを近づないためのおまじないに使われてきたもの。 それが       草履    草履  草履  草履 ・・・・・ そう、草履(ぞうり)です。 昔のことを調べていると、おまじないなどにやたらと草履が出てくるんです。 ちなみに、草履とはワラやいぐさで作られたビーチサンダル型の履き物です。 草鞋(わらじ)と間違えがちなのですが、ヒモでしっかり固定できる方が草鞋ですね。 きっと草履の方が日常的に履かれていたのでしょう。 今回は、そんな草履のおまじないをいくつか紹介します。 気をつけて見ていると、道端に竹に付けたお札が立てられていることがあります。 これは『道切り』とか『辻切り』といい、村や町の境から魔や疫病などの災いが入ってこないようにというおまじないの習俗です。 高知では少ないですが、道の上にしめ縄が張られていることもあります。 その『道切り』に草履や草鞋が使われていることがあるんです。 木にぶら下げられていたり、置かれていたり。

85. 星に願いを、だけじゃない七夕の話

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  7月7日は七夕さま。 色とりどりの短冊に願い事を書いて笹(もしくは竹)に飾ります。 はなればなれになってしまった織姫と彦星が、晴れていれば天の川を渡って年に一回だけ会うことができる日です。 物語によっては、織女(しゅくじょ)と牽牛(けんぎゅう)という名前になってたり。 晴れたから二人は会えたかな、なんて言いながら夜空を見上げる平和な行事です。

74. 『正月女』の言い伝え

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  高知県には『正月女』と呼ばれる言い伝えがあります。 基本的に、1月中に女の人が亡くなると女を七人連れていく、というものです。 自分にも降りかかるかもしれない怪異は、やはり恐怖です。 同じ部落の中から年内に七人連れていくとか、川上で女の死者が出ると川下で七人の女の人が亡くなるなど、地域によって少し変わってきます。 1月中というところもあれば、1月7日や14日までにという地域もあります。 多少の違いはあれど、県下全域でいわれていたことのようです。 でも、七人も連れて行かれてはたまったものではありません。 そこにはもちろん災厄から逃れるための作法が存在します。 ◯亡くなった方に男の格好をさせる ◯お棺に7体の人形を入れる ◯四ツ辻に集まってお祭りをする ◯お正月をやり直す このあたりが主流だったようです。 上の三つは高知県中部から東部、お正月をやり直すのは西部の幡多地域で多く行われていたみたいです。 怪談系の話は女ばかり!と思われた方、大丈夫。 『師走男』も存在したようですよ。 12月に男の人が亡くなるのを忌む地域もあったそうなんです。 その場合は、女物の長じゅばんを着せたりしたそう。 でも、こちらは伝承が薄れていったようです。 この言い伝え、旧暦の頃からのものです。 だから現在の2月の話だったのが、ちゃっかりお正月と一緒に移行してきてるんですよね。 そして、何食わぬ感じで1月の話として定着しているのがなんか面白いです。 1962年(昭和37年)の広報紙に『正月を統一しよう』という文字があったので、過渡期はその辺りでしょうか。 言い伝え的には、「旧暦の1月中」という考えも根強かったみたいですが。

61. 寸劇『りゅうきゅうは盗まれた』

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  りゅうきゅうは、盗んで植えんとありつかん ────── 田舎に伝わる俚言には、ときどき物騒なものもあります。 コンプライアンスが厳しいこの頃。 こんなこと子供に教えたりなんかしたら、大問題になりそうな予感。

55. こんがらがります、こだわります

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  さあ、今回は、こんがらがっていきますよ! 書いてる本人もすぐアレ?ってなるくせに、妙にこだわってしまうトコロ。 そこを掘り下げても、「地方によって違う」で終わってしまうだけなんですが・・・。 それは、 しめ縄の綯い(ない)方の向き です。 「アァ、もうどっちでもえいやん!」 と言わず、ちょっとお付き合いください。 ネットの普及、全国展開のチェーン店、作り手の高齢化によって、消えていっているのを感じているんです。 風習って、世代が変わると消えてしまったことさえ分からなくなるんですよね。 それは良し悪しでは語れないことだと思うのですが、ただ淋しく感じるのです。 しめ縄に限らず、縄ってぐるぐる編んでますよね。 綯うとか、撚る(よる)とか言います。 問題は、この方向です。 この一年、しめ縄に目を光らせていただけのザッとした統計ですが、全国的なものと高知のものが逆になるんです。 高知の中でも、まちまちなんですけどね。 この綯い方というものは、上下左右にひっくり返しても向きは変わりません。 最初、反対から見たら逆に見えるんじゃね?とか思ってたんですが、変わらないんですよね。 ちなみに、高知で多く見られるのがカタカナの『ミ』の方向に綯ったものです。 これを、高知市で話を聞いたときは「 右縄 」と呼ぶと教えてもらいました。 全国的には反対向き『彡』が主流です。 ロープも『彡』です。 左が『 彡』、右が『ミ』の向き だいぶ面倒くさくなってきましたか? 左右どちらかを聖とした場合、もう片方が俗になることが多いです。 浄と不浄で分ける場合もあります。 インドでは、食事は右手、トイレなどは左手を使うって聞きます。 右手が浄、左手が不浄という考え方ですよね。 さて、全国的にはどうかわかりませんが、高知県は比較的近年まで土葬が行われていました。 1970年代が終わる頃まで、普通に土葬だったように思います。 土葬はなかなか手間がかかります。 そして、やはり死に近しい儀式なのでたくさんのしきたりがあります。 そのうちのひとつが「 左縄 」です。 掘った穴に、お棺を下ろす時に使う縄は「 左縄 」に綯うのだそうです。 つまり『彡』の方向の縄です。 2mくらいの縄を綯うのだと教えてくれました。 ...

31. 君の歯は。

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  歯が抜けたら、どうしてましたか? もちろん子供の頃の話です。 確かに最近、加齢で歯が抜けてしまった話を聞くようになってきましたが。 歯ぐきに自信がないので、いつまで保てるか心配です・・・。 ・・・違う違う、乳歯の話です。 高知市で生まれ育った奥様方(70代)に聞くと、 「ネズミの歯と生え変われ」 と言いながら、屋根に投げていたそうです。 高知県の西部、宿毛市の方では少し違っていました。 上の歯が抜けたら、床下に投げ入れながら、 「ネズミの歯より早よ生えろ」 下の歯が抜けたら、屋根に投げながら、 「スズメの歯より早よ生えろ」 と言うと教わりました。 屋根に投げるけれども何も言わない、という人も結構いました。 下の歯は屋根に、上の歯は床下にバージョンの方も、そこそこいます。 小さい頃の話なので覚えてなかったり。 そりゃそうですよね。 東京や名古屋出身の方(40代)に聞くと、 「ネズミの歯と取っ替えろ」 と言っていたそうです。 基本的にネズミなのですね。 取っ替えたいものでもないですけどね・・・ でも、ネズミの歯って一生伸び続けるのだそうですよ。 ネズミって、びっくりするようなものも齧りますよね。 プラスチックとか、木とか。 電気のコードを齧られて漏電、って話も聞きますし。 強いとなると、取っ替えもアリなのか。 実は、世界各地でも何かしらの習わしがあるようです。 そして、ネズミに関するものも多い。 アジアでは、屋根や床下に投げるというのが多いようです。 アメリカ大陸やヨーロッパでは、枕の下に入れておくと妖精がお金と替えてくれるのでそうです。 妖精さんが出てくるなんて、おしゃれ。 でも、実はそれがネズミの妖精だったりする国もあるんです。 ネズミとなるとおしゃれ感はないですね。 でも、お金に替わったら嬉しいなー。 近い将来、歯が抜けた喪失感を、妖精さんが補ってくれたらいいなー。 変ったところでは、ジャマイカの話。 ゴロゴロウシという怖い牛が、自分と歯をさらいに来る。 そこで、缶に歯を入れてガチャガチャうるさい音を立てると、牛が近寄れないのでそうです。 歯が抜けて痛い上にホラー 笑 眠れなくなるじゃないか。 眠れなくなるジャマイカ。 あと、ちょっと面白いのが、トルコ...