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85. 星に願いを、だけじゃない七夕の話

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  7月7日は七夕さま。 色とりどりの短冊に願い事を書いて笹(もしくは竹)に飾ります。 はなればなれになってしまった織姫と彦星が、晴れていれば天の川を渡って年に一回だけ会うことができる日です。 物語によっては、織女(しゅくじょ)と牽牛(けんぎゅう)という名前になってたり。 晴れたから二人は会えたかな、なんて言いながら夜空を見上げる平和な行事です。

81. 餅投げは、バースとかバイとか

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  昨年あたりからでしょうか、高知では盛んに餅投げが行われています。 コロナで自粛した期間の分を取り戻すかのよう。 道路が開通すれば投げる、道の駅が完成したら投げる、お祭りといえば投げる。 始まる前からみんなのテンションが上がっているので話ははずむし、帰りもみんな笑顔なので、晴れやかないい行事だなあと思います。 餅投げ、餅まき、餅拾い、餅ばい、餅ばあし 高知の中でも、いろんな呼び方があります。 『餅ばい』は、土佐弁で「奪い合い」ことを「ばい合い」と言ったりするので、そこからなのでしょう。 『餅ばあし』は、「投げる」を「ばあす」というらしいです。 もう聞いたことのない土佐弁。 「あそこに新しい家が建ちゆうけんど、いつ餅をばあすがやろうのう」 というのが正しい使い方のようです。 そう、昭和の頃は家が完成すると餅投げをするのが定番でした。 全国的には、上棟式の時にするのが一般的なのでしょうか。 当時は、今のようにビニールに入っていません。 土がついても泥がついても洗えば大丈夫、というたくましい時代。 みんな目の色を変えて拾っていたので、落ちても一瞬です。 三秒ルールはクリアしていたはず。 また大人の本気度が高く、本当に「ばい合い」。 うかうかしていたら弾き飛ばされそうな勢いでした。 まずは新築の屋根や二階から、東西南北に大きな『四方餅』という大きめの餅を投げるのだそうです。 地域によっては投げる方角の順番があったようですが、古い話なのでみんな記憶もあいまい。 大きさもまた地域によるのでしょうが、直径30cmくらいだったりしたようです。 直径30cmの餅はなかなかの大きさ。 『四方餅』を投げてから、普通の餅投げが始まるという流れだったそうですね。 家の落成で餅投げをするという話、最近は全く聞かなくなりました。

28. 高知の注連縄、キモい話を添えて

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  お正月の注連縄(しめなわ)飾り。 『歳神様』をお迎えする印だといわれています。 注連縄飾りのワークショップをしてみようと、色々調べてみました。 形もさまざま、飾りもさまざま、語呂合わせもさまざま。 お正月の注連縄飾りがこんなに多種多様であることを知りませんでした。 (語呂合わせ、と言えば高尚な感じもするんですが、駄ジャレですよね・・・(小声)) 高知の注連縄は、「大根じめ」と呼ばれるタイプ。 大根みたく、元の方が太くてだんだん細くなる形のものです。 そこに、橙(だいだい)・ユズリハ・ウラジロ・アシを取り付けます。 シンプルですよね。 橙は、鏡餅の上にも乗せる柑橘系の果実。 ユズリハという葉っぱと合わせて「代々譲る」という駄ジ・・・語呂合わせになるのだそうです。 子孫繁栄を願っている、ということですね。 ウラジロは、裏が白いので「裏のないきれいな心」を表しているとか、白髪を連想するところから長寿を願うとか、諸説あります。 アシは束ねたワラのことで、3本取りつけます。 さて、問題はここから。 高知の注連縄は、飾る向きがあるんです。 元の部分(束ねた太い方)を、東か南の方角に飾ります。 太陽が明るく照らす方向ですよね。 その力をもらうとかなんとか。 つまり、西向きと南向きの玄関なら、元の部分が右側のもの。 東向きか北向きの玄関なら、元の部分が左側のもの。 ・・・ということです。 あまり気にしない方も多いですが、聞いてしまうとやらずにいられないですよ〜 そして、もう一つの問題。 注連縄の綯(な)い方です。 日本には昔から、左が『神聖』で右が『俗』という考え方があります。 神様への印である注連縄は、もちろん神聖なものでないといけません。 だから、左綯いです。 ただ、左右の概念に違いがあるようなのです。 どっちを右とし、左とするか。 だから、日本にはどちらの綯い方も『左綯い』として存在しています。 注連縄について研究されている森須磨子さんの絵本『しめかざり』では、『彡』の方向に綯ったものを左綯いとしています。 でも、高知は『ミ』の方向のものを左綯いとしているようなのです。 『彡』も『ミ』も、地域ごとに伝えられてきたものであり、それこそ民俗学という感じです。 それでいい...