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91. 謎の昔話と、おちよ地蔵

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  高知市をの真ん中を流れる鏡川。 昔は坂本龍馬も泳いだらしいですぜよ。 龍馬の辺りより西にある鏡川橋の少し上流に、大きなイチョウの木と2体のお地蔵さんがおわします。 人柱になったおちよさんを祀る『おちよ地蔵』です。 その昔、大雨で鏡川が氾濫するとここにかけた橋が流されてしまうのだそうです。 どうしても橋をかけることができません。 困った村長さんと村人たちは相談して、人柱を立てようということになりました。 村長さんは、 「今から一番初めに来た人を人柱とする」 と言いました。 村長さんは、自分の娘がお弁当を持ってきてくれる時間であることがわかっていました。 そして時間通り娘さんがやってきたのです。 娘さんも父の思いを汲み、人柱になりました。 それからというもの、橋は壊れなくなりました。 人々は、供養のためにお地蔵さんを立てたということです。        みたいな話を、のどQは小学生の頃に母から聞きました。 その村長さんの覚悟と娘さんの自己犠牲がやたら琴線に触れて、この話を思い出して何度涙ぐんだことでしょう。 人柱なんて想像を絶する恐ろしさだし、自分だったら泣き叫んで父を恨みます。 村人の誰かにその重荷を負わせまいとする二人の献身が、気高く思えたのです。 この付近を通るたびに村長さんの娘を思い、胸がいっぱいになっていました。

67. 大栃ごりやくさん巡り

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  一年に一回、高知県立歴史民俗資料館が集めた資料を一般公開してくれるイベントがあります。 今年のタイトルは『むかしの道具とものべの文化』展。 会場は香美市物部町の旧大栃高校です。 むかしの暮らしや仕事で使われていた道具を見せてもらえたり、空から見た物部の風景の写真コーナーや、物部の民話コーナーなどもあり興味深いイベントです。 今年のチラシに『大栃ごりやくさん巡り』の文字が。 「ものべ民話と歴史の会」の公文素子さんという方が案内してくれるというのです。 地元の方に案内してもらえるなんて、夢のような企画。 うきうきで予約。 11月11日、晴れ。 寒くなると言われていましたが、予報は外れて暖かい日になりました。 20人ほどで穏やかに出発です。 いただいた資料は森下さんという方が書かれた手書きの地図です。 おととし物部を探索した時にも見かけて気になっていた地図でした。 民話的なことや花のきれいな公園情報、動物出ますとか紙面いっぱい書いてくださっているので、ガイドブック代わりに持っていくとより深く楽しめると思います。 四国森林管理局のHPに『四国の山々たんね歩記』というタイトルで載っていますよ。 今回は『大栃ごりやくさん巡り』のために書いてくださったものなのだそう。 頭が下がります。すばらしい。 → 四国の山々たんね歩記はコチラ まずは『凢内(おおち)八幡』からです。 最初の印象はもちろん、なんだこの漢字は!?でした。 物部には、凢内さんという苗字があるのだそうです。 八幡さん自体は、公園の隅にある小さな神社でした。 この公園は春になると桜がきれいなんだそうですよ。

66. 桑ノ川の夫婦杉
 〈津野町〉

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  大杉とか夫婦杉を調べていると『桑ノ川』という地名が2ヶ所出て来て、面白い偶然だと心に残っていました。 ひとつは南国市桑ノ川の鳥居杉。 そして津野町桑ノ川の夫婦杉です。 前回は、南国市の鳥居杉に辿りついた話でした。→ こんな話 どうせならもう片方にも行ってみようと、のこのこ出掛けてみましたよ。 というわけで、津野町桑ノ川の夫婦杉の巻、はじまりはじまり。 『夫婦杉』と呼ばれるからには、鳥居の後ろに二本の杉が並んで立っているオーソドックスな風景を思い浮かべます。 迷うのが好きなのでナビは使わず、ウロウロすること20分。 ようやく大杉への道の入り口を発見。 ちゃんと小さな案内板をつけてくれてました。 ありがたや。 ものすごい山道を覚悟していたのですが、ほどなく到着。 秋祭りの時期は、神社にノボリが立つので見つけやすいです。 ノボリが旗めいてるの、格好いいですよね。 え?何も感じないですか? おかしいなあ 笑 とにかく『三所神社』と書かれた青いノボリが、晴れた山間の風景に映えていました。 鳥居の後ろに二本の杉が立っていました。 大きくて立派です! ただ、想像していたより距離が近い。 杉の間から階段の全景が見えない。 思ってたよりくっついてる・・・。 面白い距離感です。

65. 桑ノ川の鳥居杉
 〈南国市〉

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  大杉とか夫婦杉を調べていると、『桑ノ川』という地名が2ヶ所出て来ました。 ひとつは南国市桑ノ川の鳥居杉。 そして津野町桑ノ川の夫婦杉です。 車でも1時間以上かかるくらい離れているので、偶然だと思います。 けど、ちょっと面白い。 ただ、かなりの山道が待っていそうなので、リストに入れたまま保留。 伝説さんぽにちょうどいい季節になり、ようやく辿り着きましたよ! 今回は、南国市の鳥居杉です。 とくに鳥居杉を目指して出発したわけではなく、土佐山田町から土佐町に向かっているときに、ちょっと気になる脇道に入ってしまったところから話が始まります。 で、地名を確認しようと電信柱をみてみると「クワノカワ」の文字が。 おや・・記憶の中におるよ、その名前。 近くまで来ているのか、これは行くでしょ、今でしょ。 なんて気楽に向かったのですが、くねくねと遠いったらありません。 穴内川ダムをぐるっと回るのですから、時間がかかるわけです。 いい景色なんですけどね。 ダム沿いの山道はスリリング、よそ見厳禁。 同じ道を帰るつもりだったのですが、途中からは別の道があることを祈ってました。 でも、紅葉の頃は見ごたえありそうです。

53. くす、クス、楠、大谷の樟

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  須崎の大谷というところに、大きな樟の木があります。 須賀神社の境内にあるのですが、これがものすごく大きいんです。 そして、なんと国の天然記念物。 推定樹齢は、1300年とか1500年とか2000年とか・・・あれ? 書かれてるものによってバラつきが。 諸説あり、というやつですかね。 大正13年に天然記念物に指定されたんだそうですよ、ほぼ100年前。 人間からするとはるか昔ですが、樟の木からするとちょっと前くらいなのか? 大谷の樟 病気になった人がお参りに行く、霊験あらたかな木だという話を聞いたのでノコノコとやってきた次第です。 海が近いのかな、と感じる気持ちの良い風景。 この大谷地区と、海側の野見地区の産土神様だということです。 野見地区からの風景も素敵ですよ。 野見湾の風景 樟の木の足元部分から大きな空洞があって、その中に『楠神』様と呼ばれる小さな祠があります。 病弱な幼児を持つ親が参拝し祈願すると健康に育つとか、病弱な者も健康になると伝えられているそうです。 安産祈願に訪れる方もいるそうですよ。 確かに、いろいろ聞いてくださりそうな包容力を感じます。 神様にあやかって「楠」の字を使った名前をつける事もあったようです。 熊楠・・・とか? この中に楠神様が 須賀神社、もとは牛頭天王と呼ばれていたそうです。 明治元年に須賀神社になったのだとか。 牛頭天王って、疫病退散で有名な方ですよね? 昔から、病気平癒祈願で皆が訪れていた場所ということでしょうか。 『楠神』と聞いて思い出したことがあります。 越知町という町があるのですが、人里離れた場所に行列のできるラーメン屋さんがあるんです。 そこに向かっている時に、『楠神』という地名がありました。 もう言い伝えの香りしかしない地名。 しかし、お腹が減っていたのでスルーしたんですよね。 もったいないことをした。 『土佐史の神々 第二集』という本に見つけましたよ、越知の『楠神』の言い伝え。 その昔、この地に大クスの木があって、その辺りを真っ暗にするほど茂っていたのだそうです。 ある人が、その木の枝を長い時間かけて伐り落としました。 が、翌朝行ってみると、元通りになっていたのだそうです。 今度は根元から伐り倒したところ、集落に相次いで不幸なことが起こりま...