二日後の満月は『ピンクムーン』だと騒がれていた4月終わり。 潮は、最高の大潮。 これは磯遊びに出かけねば。 高知県の中でも、とりわけ海が綺麗な大月町へ! 浜辺を歩いていたら、小さいけれども怪しい物を発見。 海藻のこびりついたグレーっぽい物体。 動物の骨のようであり、金属のような重さであり。 海遊び歴は長い一族なのですが、みんな首をひねります。 捨てるか、持ち帰るか・・・。 骨だったら気持ちが悪いし・・・。 一番若い甥っ子の「珊瑚じゃないか」の一言で、みんなの目の色が変わりました。 家に帰って触ってみたり、匂ってみたり、グーグルで調べたり。 とうとう、少しやすりをかけてみました。 赤色です!うぉぉ珊瑚確定。 白くなった珊瑚はよく見かけますが、赤は初めて。 小さなカケラでも、珊瑚となるとワクワクするものですね。 ところで、『お月さんももいろ』という歌があります。 ちょうど珊瑚を見つけた大月町小才角あたりに、古くから伝わっている歌です。 お月さんももいろ だれが言うた あまが言うた あまの口ひきしゃけ なかなか物騒な歌です。 江戸時代、珊瑚はご禁制の品のひとつ。 土佐では珊瑚が採れることは秘密中の秘密だったようです。 採ってもいけない、拾ってもいけない、口に出してもいけない。 カケラを拾っても言いたくなるのに。 口なんか閉じてられない。 ひきしゃかれたくないけど、しゃべりたい。 この歌を元に、松谷みよこさんが絵本を作られています。 『お月さんももいろ』 歌がネガティブですから、やはり少し悲しいお話です。 悲しくて美しい絵本、よかったらぜひ。 歌の中の「お月さんももいろ」が「お月灘ももいろ」だという説もあります。 小才角あたりの海を、お月灘と呼んでいたそうです。 お月灘が桃色に輝くほど、珊瑚が透けて見えていたのでしょうか。 明治維新でご禁制が解けてから、大月町では珊瑚漁が盛んに行われたそうです。 乱獲により、ほぼ中止になってしまったようですが。 温暖化など、珊瑚には厳しい状況の昨今。 綺麗な海こそ宝物。 豊かな海でいてほしいものです。 ももいろお月さん(ピンクムーン)が昇る頃、『お月さんももいろ』の歌が伝わる浜で、珊瑚のカケラを見つけたお話でした。