さあ、今回は、こんがらがっていきますよ!
書いてる本人もすぐアレ?ってなるくせに、妙にこだわってしまうトコロ。
そこを掘り下げても、「地方によって違う」で終わってしまうだけなんですが・・・。
それは、しめ縄の綯い(ない)方の向きです。
「アァ、もうどっちでもえいやん!」
と言わず、ちょっとお付き合いください。
ネットの普及、全国展開のチェーン店、作り手の高齢化によって、消えていっているのを感じているんです。
風習って、世代が変わると消えてしまったことさえ分からなくなるんですよね。
それは良し悪しでは語れないことだと思うのですが、ただ淋しく感じるのです。
しめ縄に限らず、縄ってぐるぐる編んでますよね。
綯うとか、撚る(よる)とか言います。
問題は、この方向です。
この一年、しめ縄に目を光らせていただけのザッとした統計ですが、全国的なものと高知のものが逆になるんです。
高知の中でも、まちまちなんですけどね。
この綯い方というものは、上下左右にひっくり返しても向きは変わりません。
最初、反対から見たら逆に見えるんじゃね?とか思ってたんですが、変わらないんですよね。
ちなみに、高知で多く見られるのがカタカナの『ミ』の方向に綯ったものです。
これを、高知市で話を聞いたときは「右縄」と呼ぶと教えてもらいました。
全国的には反対向き『彡』が主流です。
ロープも『彡』です。
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左が『彡』、右が『ミ』の向き |
だいぶ面倒くさくなってきましたか?
左右どちらかを聖とした場合、もう片方が俗になることが多いです。
浄と不浄で分ける場合もあります。
インドでは、食事は右手、トイレなどは左手を使うって聞きます。
右手が浄、左手が不浄という考え方ですよね。
さて、全国的にはどうかわかりませんが、高知県は比較的近年まで土葬が行われていました。
1970年代が終わる頃まで、普通に土葬だったように思います。
土葬はなかなか手間がかかります。
そして、やはり死に近しい儀式なのでたくさんのしきたりがあります。
そのうちのひとつが「左縄」です。
掘った穴に、お棺を下ろす時に使う縄は「左縄」に綯うのだそうです。
つまり『彡』の方向の縄です。
2mくらいの縄を綯うのだと教えてくれました。
反対に、お正月に飾るしめ縄はどうでしょう。
日曜市などで売られている生産者直販のしめ縄は『ミ』の方向が多いです。
こちらは、もちろん「右縄」を綯うという言い方をするようです。
お祝い事などは、この「右縄」になるのだそうです。
つまり、その場合はこちらが『浄』になるということですね。
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日曜市のしめ縄 |
しめ縄市や日曜市に行けば、昔ながらのしめ縄『ミ』を売っているのですが、師走は何かと忙しい。
だから、全国展開のチェーン店で売られている『彡』のしめ縄を買う方も多いです。
田舎に行くと、同じしめ縄を飾ってあるお家が並んでいて、代表の方が買ってきて配ったのではないかなーと推測してみたりします。
だから、現在のお正月は、『ミ』と『彡』が混在しています。
でも、左縄と右縄の考え方が根付いている方にとっては、お葬式に使うものをお正月に使いたくないと思うのも自然なことですよね。
買ってきた『彡』のしめ縄を、自分で『ミ』に綯い直したという話をしてくれた方もいました。
神社のしめ縄も、この『ミ』の向きが多いです。
でも、4分の1くらいは『彡』の向きでしょうか。
ただ、ここにも高齢化の波が来てるのかなと思わせられる事が多々あります。
細いしめ縄は『ミ』の方向ですが、太めのしめ縄は『彡』の方向になっていたりするのです。
推測でしかないのですが、細いのと太いのは作り手が違うように思うのです。
この辺りもちゃんと調べねばならないのですが。
大きいしめ縄になるとロープを使ってることもあるので、しめ縄を作る労力が足りないのだろうなと思うのです。
なかなかの力仕事、根気のいる作業なのだろうなと。
田舎に住む友達が、地元の方にしめ縄を作らないかと誘われたと話してました。
やります、とも答えられずにいると、もう出来たものを買おうかなという話になったと。
今は、安く買えるから無理せずいこう、と言うことになったそうです。
ザッと見た感じ、島根あたりの神社では『ミ』の向きのしめ縄があるような気がします。
これも確かめに行かねば!
自然に入れ替わってきている『ミ』と『彡』のしめ縄。
こんな考え方もあるのだと、年の暮れに書いてみました。
こんがらがりませんでしたか?
お正月は、しめ縄を見ては「ミ」「ミじゃない」とブツブツ呟きますよ~。
それではみなさま、良いお年を!
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