110. 仁淀川のほとりで機を織る

 

令和7年7月7日とゾロ目日だった今年の七夕。

みなさん、何かお願いごとしましたか?




七夕の織姫さまといえば、機織りをしています。

恩返しをする鶴も、主に気に入られてしまい淵に落ちて帰ってこない娘さんたちも、ときには山姥も、みんな機で布をを織っています。

そして、たとえばお葬式から帰って喪負けをしないためとか、何かから身を守るおまじないに機織りの道具が使われたりもしていたらしいです。

伝説におまじない・・・身近な仕事でありながら、なにか神聖な感じがするんですよね。




現在、機織り機は民俗資料館などで見かけるだけですし、布は生地屋さんで買うものになっています。

布を作る仕組みも、まったくわかりません。

こうなったら、やってみなくては。

機織り伝説の娘さんたちを思いながら、トントンしてみましょう。

機織り体験に行ってみます!




高知県の真ん中を雄大に流れる仁淀川(によどがわ)。

高知の清流といえば四万十川(しまんとがわ)が有名ですが、県民の中には仁淀川派も多いんです。

その仁淀川のほとりに、土佐和紙工芸村「くらうど」という道の駅があります。

ここでは紙漉き体験やカヌー体験、日帰り入浴などいろいろ楽しめるんですよ。

その「くらうど」の裏手にある「はた舎」にて機織り体験ができるのです。




はた舎は、小高いところにある古民家です。

築120年ですって!

はた舎から見る仁淀川は、なんとも気持ちの良い風景です。




はた舎には8台くらい(うろ覚え)機織り機があります。

縦糸をすでに張ってくれていて、作りたいイメージに合わせて選びます。

思い切った配色のものもあれば、ほぼ単色のものもあります。

縦糸が薄い色なら横糸の色がダイレクトに出る感じだし、縦糸が濃い色なら横糸と合わさることで生まれる変化を楽しめるます。




機織り機が決まったら、今度は横糸を選びます。

初心者なので全くイメージがわかないし、きれいな色ばかりで迷います。

写真を撮るのも忘れて、選ぶのに没頭。

縦の糸はあなた、横の糸はわたし・・・いや、もう少し軽い気持ちで。




機織り機は縦糸が二層になっていて、まず片方の足で踏木というのでしょうか足元の木のペダルを踏むと、パカっと縦糸が上下に分かれます。

そこに杼(ひ)という道具に取り付けた横糸をスーーっと走らせて、踏んでいた足を元に戻します。

縦糸がそろったところを筬(おさ)と呼ばれる木でトントンします。

次は反対側の足を踏み込んで、さっき下になった縦糸が上に、上のが下になったところに横糸を走らせて、また足をそろえてトントン。

その繰り返しです。




足と手がうまく協力してくれなくて、ワタワタでした。

勝手に手がトントンしてしまう 笑

でも、初めてのことって久しぶりなのかも。

不器用になってしまう自分が新鮮な感じがします。

でも少し慣れてくると無心になって、面白くなってきましたよ。

だんだん形になっていく布地が嬉しいですし。




遊びでやると楽しいけれど、仕事でやるのは嫌になったりするんでしょうか。

仕事が早い人、センスがいい人、いろいろいただろうな。

などと考えながら織っていきます。

とは言っても、やはり現代人の体験教室。

ただただ楽しかったです。

出来上がりも満足~




というわけで、もうすぐ夏休み。

仁淀川を眺めながらの機織り体験、おすすめです!

機織り体験は、要予約。

テーブルセンターやランチョンマット、マフラーなどが織れますよ。

のどQは、ランチョンマット(約30cm)だったので、1時間くらいかかって2,250円でした。

土佐和紙工芸村「くらうど」の体験を探すなら→コチラ



淵の底で機織りをするお話も、合わせてどうぞ

『54. 水中で美女は機を織る』

『82. 機魔ヶ淵は、不気味に光る』


七夕についても書いています

『85. 星に願いを、だけじゃない七夕の話』



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