巳年ということで、今回はマムシについて書いてみたいと思います。
ヘビ嫌いの方、ごめんなさい。
山の方に住んでいると、ヘビに遭遇することもよくあります。
都会では、ヘビも出ないんだろうなあ。
身近にいるヘビの中で、毒を持っているのがマムシとヤマカガシです。
ヤマカガシは毒牙が奥の方にあるので、よっぽどじゃないと咬まれないと聞いたことがあります。
咬まれるのは、ほぼ小中学生の男子なのだとか。
いたずらするんでしょうね。
マムシは落ち葉などに同化して動かず、気配がなかったりするので要注意です。
そういえば何人かで山道を縦に並んで歩くとき、マムシは一人目に驚いて二人目に咬みつくっていいます。
二番目をみんなで譲り合うというお約束。
田舎あるあるですか?
本当かどうか分からないまま譲り合ってます。
マムシは匂いでわかる、という人もいます。
昔の人は、「おしろい」の匂いがすると言っていたらしいです。
ファンデーションしか使わない今の時代、「おしろい」の香りがわからないんですよね。
越中富山の「万金丹」という薬の匂いだという話もあるようですが、コチラも嗅いだことがない・・・
とにかく、独特の匂いがあるようですよ。
現在は「マムシ」という呼び名が一般的です。
高知県中部では「ハミ」「ハメ」と呼ぶ人も多いです。
西部では「クチメ」ともいいます。
小さい頃は、怖い毒ヘビが何種類かいると思っていた記憶が。
半年ほど前に、捕まえていたマムシが逃げたというニュースが全国版で放送されていました。
山に近いところでは日常の出来事なので、温度差があるのだなと面白く思いました。
なので、マムシに咬まれた人もチラホラいます。
イメージでは、ガブっときて「痛い!あっ!マムシ!」ですよね。
でも実はチクッとする程度なんだそうですよ。
トゲを刺したくらいの感覚なんだとか。
見たらマムシがいて咬まれたことに気づく、ぐらいなんだそうですよ。
意外ですよね。
そして、咬まれたところが腫れてきてマムシみたいな柄になる、という噂があります。
いやだ、いやすぎる。
咬まれたくないのは皆同じ。
さあ、そこで登場するのがおまじないです。
まずは、「ハイトウさんのお通りじゃ」というおまじない。
草むらを通るときに唱えるといいらしいです。
長尺バージョンは、「ヘビもハミもそちよれ、ハイトさまのお通り」なのだそう。
福留隼人さんという戦国時代の強い武将さんがいまして、その名前を聞くだけでヘビもマムシも恐れをなして逃げていく、と伝えられてきたようです。
草むらを通るときに「ハイトウさんのお通りじゃ」と自然に呟く自分がいるんですよ。
こうやって伝承されていくんですね。
隼人神社 |
高知市田辺島(たべしま)に、福留隼人さんを祀った隼人神社があります。
ヘビよけの神様なんですって。
神社の床下の土を取って帰り家の四隅や畑へ撒いておくと、その年中ヘビが寄りつかないといわれているらしいです。
→『1.蛇も恐れるハイトウサンの謎』も合わせてどうぞ
もうひとつは、越知町片岡にて採集されたというもの。
「この土地に錦まだらの虫おれば 山ちち姫にいうぞ答えん アビラケンソワカ」
もう、見栄を切りそうな響きです。
もはや決め台詞。
ヘビよけのおまじないなのかしら。
ちなみにムカデのおまじないは、
「摂州のこまが渡しでせしめおかれたことを忘れたか こな虫」
こっち系のおまじないは面白くてクセになりそうです。
のどQの甥っ子は、小学生の頃マムシが飼いたくて、こっそりプラスチックの虫かごに入れてランドセルに隠してたことがありました。
恐ろしや。
ハイトウさんも山ちち姫もびっくりですね。
参考文献 : 市原麟一郎さん著『続・土佐のごりやくさん』
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