41. いづた三姉妹


 春野町西畑の森神社岐神社が姉妹、という話に興味を持った前回。

調べていくと見つけましたよー、なんと三姉妹!
長女は、土佐清水(とさしみず)市の伊豆田神社。
次女と三女は、南国(なんこく)市の伊都多神社。
現在、土佐清水市は「いずた」、南国市は「いづた」読みっぽくなってます。
でも、伊豆田神社は延喜式神名帳では「いつた」となっています。
わからないので、今回は「いづた」で。



余談ですが、高知県民は「ず」と「づ」を区別して発音していると聞いたことがあります。
同じに聞こえる、という意見もありますが 笑
言ってる側からすると、確かに舌の使い方が違います。
「ZU」と「DU」の違いに近いでしょうか。
でも、「づ」は「ぢ」の発音と共に、絶滅危惧種なのだと思います。




とにかく三姉妹が気になったので、まずは近場にゴー。

南国市前浜地区に御坐す、次女神の伊都多神社からです。

海に近いので、気持ちの良い場所です。

お隣には、津波避難タワー。
かなり昔からある神様みたいなので、避難タワーの立地としては良いチョイスな気がします!(素人目)
2005年に相次いで上陸した台風で大きな被害を受けた拝殿・本殿は、修復事業が行われたそうで、とても立派です。

長禄二年(1458年)以前から、「脚気(かっけ)封じのお伊都多さま」として土佐一円からの参拝があったのだそうですよ。



前浜地区 伊都多神社


お次は、南国市田村地区に御坐す、三女神の伊都多神社です。
こちらの神様は、春にはきれいに桜の咲く川のそばにあります。
広々とした平野の田んぼの中に伸びる参道が、いい感じなんです。



田村地区 伊都多神社


一の鳥居からの景色は、季節ごとに写真映えしそうです。
こちらもまた、気持ちの良い場所です。
拝殿の軒下に気になる彫刻がありました。
屋根を支える力持ち。

これは、調べるリスト入り決定です。



軒下の力持ち


実は、この次女神と三女神、仲が悪いんですって。
ちょっと奥さん知ってます?みたいな口調で言ってしまう系の伝承 笑
お祭りの際、田村地区のお神輿が、前浜地区の伊都多神社の境内に石を投げ込んでいく風習があったとか。
なかなか勝気な三女神・・・





そんな個性的な神様たちのお姉さんも、俄然気になってきました

遠出して、伊豆田神社にも行ってみましたよ!




土佐清水市の下の加江(しものかえ)にある伊豆田神社。
山道の途中にあるので、見逃してしまいそうな入り口でした。
車を停めるところもないので恐る恐る入っていくと、鳥居が見えてきてホッ。
鳥居の手前に駐車させてもらって歩いてみることにしました。


伊豆田神社の鳥居


気持ちの良い散歩道のような参道。
道と並行して小川が流れているので、『奥の細道』みたいな雰囲気です。
虫や蛇が出ない季節が、たぶんオススメ。
本当に気持ちが良い。

参拝しながら森林浴、得した気分です。




5分くらい歩くと、小さな橋が見えてきました。
橋を渡ると、神社に続く階段があります。
その階段の苔むした感じが、味があるんです。
神秘的だなあとか思いながら、幅の小さな階段を登ります。
三階に登るくらいの高さでしょうか。



苔むした階段


手を合わせて、くるっと振り返るとその高さにビビりました。

足のはみ出る狭い階段、苔、落ち葉・・・・無事降りられますようにと祈りたくなります。

高所恐怖症の方や小さいお子様にはおすすめできないかもです。



伊豆田神社



三柱三様、御坐す場所も佇まいも違うけど、それぞれ味のある神様でした!
軒下の力持ち含め、もう少し掘りたい神様たちです。




御祭神は、長女の伊豆田神社は伊豆田彦、伊豆那姫命。
次女の前浜地区・伊都多神社は伊豆那比咩命。
三女の田村地区・伊都多神社は伊豆那姫命。




参考文献 /  南国史誌

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