70. 宇和島御槇の日切さん

 

ずっと行ってみたかった宇和島の『日切さん』。

「いついつまでに」と期限をつけて祈るので『日切さん』と呼ばれているお地蔵さんです。

念願かなって行ってきました。

↑ 行く時点で念願かなってるのが本末転倒 笑




日切さんは、愛媛県宇和島市津島町の御槇(みまき)というところにおられます。

宿毛市からちょっとした山道を通らなければなりません。

御槇に到着したら分かるだろうと思っていたら、全く分からずウロウロ。

ちょうど公民館で『ふるさと市』をやっていたので寄ってみました。




お餅やら焼き鳥やらコロッケやら美味しそうなものが並んでいて、人もたくさん集まっています。

誘惑に勝てず、お昼時でもないのにぱくぱく・・・

色々美味しかったのですが、中でも猪汁が絶品。

ご近所の豆腐屋さんのちょっと固い豆腐に旨みがしみしみで、うまい!

しかも猪汁売り場に“日切さんの主”(管理してくださってる方だそうです)がいて、場所も教えてもらいました。


日切さんの地蔵堂


小学校の裏手の道を少し行くと、日切さんのおわす集落に着きます。

御槇というところは山合いなので寒いのですが、景色は温かみのあるのどかなところです。

日切さんの地蔵堂はノボリが立っていて分かりやすかったです。

地蔵堂に入ると、とても慕われていて大切にされているのが伝わってきました。

お菓子やジュース、お茶などのお供物に囲まれて、アットホームな雰囲気。

なかなかご利益があるのだそうですよ。




“日切さんの主”のおじさんが「土佐からの参拝が多い」とおっしゃっていました。

高知側の宿毛市などで、愛媛のことを伊予と呼ぶのは聞き慣れていたのですが、土佐呼びは新鮮。

確かに奉納の木札にも、高知の方が多い印象でした。




“日切さんの主”のおじさんたちが、ご開帳は33年ごとだとお話されていたんです。

次のご開帳はまだまだだと。

なので、お地蔵さんが秘仏なのかなと思っていたら、そうでもなさそう。

実はダミーのお地蔵さんなのかと背後を目で探ってみたり。

うーむと首をひねりながら手を合わせます。




お堂の中で日切さんのお札が売っているのですが、「家内安全」などに並んで「豊漁」の文字が。

あまりお見かけしない「豊漁」のお札。

釣り人の皆さま、いかがですか?




後で調べてみると、ご開帳は少林寺というお寺の阿弥陀さまのことでした。

日切さんから少し離れたところにあります。

本開帳(33年ごと)のときに、少林寺から日切さんまでさらしを繋げるのだそうです。

阿弥陀さまが光って稲を駄目にしたので閉めたのだそうですよ。

阿弥陀さまの輝き、すごい。




この阿弥陀さま、その昔愛媛と高知で取り合ったことがあるらしいです。

ニワトリが鳴いたら大黒山に登って、先にたどり着いた方が取るという話になったのだそうです。

御槇の人はこすくて(ひきょうで)ニワトリを抱えて山の上に先に登って、鳴いたら阿弥陀さまを取ったそうですよ。

(↑ ※御槇のパンフレットより。高知県民の意見ではありませんのであしからず)

高知の人は大盤振る舞いで士気を高めたともいわれているので、飲みすぎた説もあるのでしょうか 笑




帰りに公民館の近くにある『福田百貨店』なるお店にも寄りました。

よろず屋さんですが、世界中のボードゲームも売られていました。

なかなかの品揃えでしたよ。

併設のカフェ(冬はコタツ!)でお試しができるそうですよ。

次は大人数で来なければ。


福田百貨店


少し前に秋田県知事の失言があり、繰り返しじゃこ天という言葉を聞かされて食べたくなっていたところです。

宇和島のじゃこ天は、薄くて美味しいんですよね!

市内のところどころに、製造所で販売してくれるお店があるんです。

帰りは海沿いの道を通り、じゃこ天を買って帰りましたとさ。



参考文献 : 御槇パンフレット、森下絵地図39210西土佐と川の物語



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