12. 高知の民間薬いろいろ

 民間薬・・・医療の専門家ではない庶民の間に伝承されてきた薬のことで、その多くが植物起源の生薬である。(Wikipediaより)


『おばあちゃんの知恵袋』的なものですね。
今日は、その民間薬のお話。
薬事法にふれないように、そろりそろり行きます!






高知の年配の方々から絶大なる信頼を得ているもの、それは『たぬきの油』です。
お腹が痛い、熱が出た、具合が悪い、切り傷が・・・
全部『たぬきの油』の出番のようです。
コレさえ飲んじょったら大丈夫、処方箋にはこう書かれているはず。

万能薬的な位置付けなのでしょうか。
とにかく信頼は厚いです。



小さい頃に飲まされて嫌だったという高知県民も、たくさんいるのではないでしょうか。

具合が悪いときにクセのある匂いのものを飲まされるなんて・・・もう・・

でも、良い仕事をするのでしょうか。
今でも人気の民間薬です。
日曜市や道の駅で見かけます。



『たぬきの油』は、たぬきの脂肪から作ります。
夏場は意外にほっそりしているたぬき、冬に向けて脂肪を蓄えていきます。
だから、『たぬきの油』も冬場に作るのだそうです。
絵本などのたぬきは少しふっくら系なので、冬のたぬきなのかもしれませんね。



もう亡くなった近所のお爺さんは、孫たちが熱を出すとミミズを乾燥させたものを煎じて飲ませていたそうです。
ミミズ・・・
正体を知ったらギャー!ですよね。
意地でも熱を出すものか、という健康法なのか?
でも、ミミズも信頼に応えていたものと思われます。
非常事態下で熱が出たら、使わせてもらうかもしれません・・・




マムシを焼酎に漬けた『マムシ酒』というのもあります。
毒をもって毒を制す、なのでしょうか。
もはやどんな時に飲むのかもわかりません。
ただ間違えて飲んでしまった奥様が、夜中に体がほてってしまい全く眠れなかったそうです。
ふふふ、新聞の怪しい広告っぽいですね。



ゲテモノはここまで、次は植物。



ドクダミは、人気の植物です。
色々な使い方があるようですね。
私は、ドクダミの花を焼酎に漬けたものを虫刺されにつけたりします。
さっぱりしているので、スプレーボトルに入れて冷蔵庫に冷やしておくと気持ちいいですよ。
肌にも良さそう~と思いながらシュッ。ひんやり感がたまりません。



そういえば子供の頃、転んで切ったりすりむいたりしたら、よもぎを少し汁が出るくらいモミモミっとして傷に当てていました。
よく考えもせず、転んだらよもぎ。
昭和の子は、たくましい。
小さい頃は、とても身近な薬草でした。
今は、お餅に入っていたりしますね。




そして、私の周りで人気が急上昇したのがオトギリソウです。

ここ10年くらいで不動の地位を獲得しました。
漢字で書くと、弟切草。
名前の由来が、ちょっと物騒なんですよね。



昔、オトギリソウから薬を作って生計を立てていた兄弟がいました。
とても良い薬なので売れ行きも好調でした。
ある時、弟が作り方を聞かれオトギリソウのことを教えようとしたので、兄に切り殺されてしまったそうです。
それから、『弟切草』になった・・・みたいな事を聞いたことがあります。



7月くらいに咲く黄色い花を、食物油や焼酎に漬けておきます。
少し乾燥させてから漬けるようです。
油に漬けると、綺麗な赤い色になります。
私は、虫刺されややけどに塗るようにしています。
ムカデに噛まれたらコレで落着、という強者もいます。
兄弟のお兄さんが、秘密にしていたかった気持ちも少しわかります。



多分、飲んだりすることもあると思いますが、私の周りでは塗ります。
病院のお薬の飲み合わせNG欄に「オトギリソウ」と書かれている時があるらしいので、飲む場合は注意が必要のようですよ。


オトギリソウの花と、ビンに入れたオトギリソウの焼酎漬け(茶)と油漬け(赤)



よくぞ、それを飲もうと思ったな・・・というものもあったりする民間薬の世界。
昔はたくさん生えていたのに、最近見かけないという植物もあるのも事実。
病院へ行けば、良いお薬がもらえるのも事実。
でも、決して邪魔になる知識ではないので、また集めておこうと思います。

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