10. 悪夢よ、さようなら


悪い夢を見て夜中に目を覚ます。

どきどきして、目は冴えてしまった。
目をつぶると、頭にこびりついた映像をリピート再生。

怖くて、もう眠れない・・・
こんなこと、ありませんか?




ある日、義母(76歳)が、このところ悪い夢ばかり見て疲れると言い出しました。
亡くなった人たちが、毎晩変わるがわる出てくるのだとか。
夢見が悪いと、眠るのが嫌になるってもの。
そこで友人(80歳代)に相談したら、良く効くおまじないを教えてくれたのだそうです。
その友人も入院中に、同部屋にいた日高村のお婆さんから教わったのだそう。
なかなか歴史がありそうです。

「ゆうべ夢見た ハッと見た 南天山のパグの木となれ」
「アビラウンケンソワカ」

これを3回ずつ唱えるとのこと。
寝る前に唱えると、悪い夢をパッタリ見なくなったそうです。
抜群の効き目。

おまじないは効くことが大事です。



でも・・・・パグ?
パグ犬のことでしょうか?
歴史がありそうな割には、「ハッと見る」ところなど現代風。




気になって調べてみたら出てきました。

あーーなるほど、納得。
悪い夢を食べてくれると言えば、獏です。



美味しかったらいいのだけれど



だからと言ってパグの呪文が間違いか、といったらそうではありません。
効き目があったなら、それは正しいおまじないなのです。




似たおまじないは、各地にあるようです。
ネットで見かけたのですが(どの記事だったかメモするのを忘れてしまいました、スミマセン)

「夢みしや夢みしや 夢のいく末たずねれば 南天山の獏の餌となる。」


愛知のおまじないだそうです。
同じようなおまじないなのに、えらく風流です。
庶民ではなく貴族のおまじない、といった風情。
3回唱えるそうです。




花部英雄さんの『夢とまじない』というレポートの中に、『夢流しの歌』というのが出てきます。


「見し夢は 獏の餌食となるからは 心も晴れし暁の空 アビラウンケンソワカ」

やっぱり風流。美しい。
ハッと見ないのですね。

こちらも3回唱えます。

※『夢とまじない』には、興味深い話が盛りだくさん。ググれますヨ。



効率化を求める現代、友達(46歳)は『獏、獏、獏』と唱えてました。
短すぎやしないか・・・
聞くところによると、熊本では「獏」が「パフ」になるらしいです。
3回唱えたら、亀仙人ww。



次は、近所の奥さま(75歳)のお母さんが教えてくれたというおまじない。

「ゆうべ見た夢 南天山の獏の餌となれ
 大難は小難 小難は消滅
 アビラウンケンソワカ」

これも3回。
お母さんは長崎の方だったそうなので、どこで覚えたものかはわからないそうです。
大難もいつかは消える。
心に残る良いフレーズだなと思いました。



パフやらパグやらに変化しながら口伝えで残っていくおまじない。
これだから面白い。
実は、変化しない「アビラウンケンソワカ」の方が効いているのでは?という噂も。
そちらの話は、また今度。

みなさん、良い夢を。

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