高知県宿毛市の田ノ浦漁港の裏手に、小さな祠があります。
山のふもとにある大きな木の根本に、ひっそりとおられる祠です。
ここは耳の神様だと言われています。
耳に心配事があると、穴の開いた石を持ってお参りに来るのだそう。
なかなかご利益があると、地元では言われていたそうです。
子供の耳の病気が治りますように。
耳鳴りがなくなりますように。
手術が成功しますように。
いろんな思いで、浜辺の石を探したことでしょう。
その思いは、昔も今も変わらないのだと思います。
今はすぐ病院に行くので、拝みにくる方も減ったようです。
市場のゴミがあちらこちらに。
ゴミくらい片付けたらいいのに。
穴の開いた石をお供えする、というのは、全国的にもよくある話のようです。
やはり、目、鼻、耳、婦人科系の病気など、穴にまつわる病がほとんど。
高知市でいえば、薊野にある『のつごさま』。
御本尊は石のお地蔵様で、首から上の病気、特に耳の病気にご利益があるのだそう。
治った後で、穴の開いた石をお供えするのだそうです。
『のつご』というのは、高知の幡多郡や愛媛の宇和島あたりではその名前の妖怪がいるらしいですが、この『のつごさま』は農耕神です。
高知中央の平野部や讃岐地方では、『のつご』という地名があるそうです。
野の神さまだったり、大切な牛や馬の守護神だったということです。
のつごさま |
穴の開いた石をお供えするのではない、こんなお願いの仕方も。
カツオの美味しい中土佐町久礼の久礼八幡宮。
ここの境内には、大きな穴の開いた大きな石があります。
『厄抜け石』と呼ばれていて、穴を抜けると厄を抜けることができると言われています。
こんな大きな穴開き石もあるんですね。
奈良の東大寺での『柱の穴くぐり』をしたことがあるんですが、くまのプーさんみたいになったらどうしようかとドキドキしたのを覚えています。
柱より『厄抜け石』の方が、くぐりやすそうかな・・でもプーさんになるかも・・・
厄を落としたい時に来ようと、ひとり納得して今回は遠慮しました。
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