2025年が始まりました!
今年もあちらの伝説こちらの風景をご紹介していきますので、お付き合いくださいませ。
今年は巳年。
ヘビの伝説の宝庫といえば、やはり滝(←あくまでも個人の意見)
ということで、滝からのスタートです!
前回は、虚空蔵山に残る『徐福伝説』について書きました。
2200年前に中国から不老長寿の薬を求めて旅立ち、嵐にあい虚空蔵山にたどり着いたという壮大なストーリーです。
→気になる方は『面白き伝説の山、虚空蔵山』の回もぜひ
白水の滝 |
実は、その虚空蔵山にはもうひとつ伝説があるのです。
その舞台は、中腹にある『白水の滝』。
それほど知られていない滝のようです。
昔々、鳥の巣地区に佐川小町と呼ばれる美しい娘さんがいたそうです。
そういえば昭和の頃は、評判の美人さんに「~小町」とつけたりしてましたね。
平安時代の歌人、小野小町が美しかったことに由来しているみたいですが、まさかその頃から使われてきた言葉なのか?
ルッキズムで話ちゃいけない風潮のある昨今、「~小町」もNGっぽいですね。
とにかく、美しい娘さんがいたそうです。
彼女の元に、夜な夜な美しい青年が通ってくるようになりました。
月の明るい夜には、銀笛を吹き鳴らしたりするんですってよ。
美しい青年に銀笛って、もう平安絵巻のような世界観。
しかし幾月たっても、青年は決して素性を明かしませんでした。
思い余った娘さんは、母親に相談します。
「テモ、マア、夜ごとに交す殿御のお肌の冷たいこと」
なんて頬染めながら話したと書かれていますが、おおらかですわね。
母親は、娘に青年の着物の褄に木綿針を縫い刺すよう教えました。
針に糸を通しておいて、後でその糸をたどって家を突き止めようって考えです。
娘は言われたとおりに針を縫い刺しました。
次の晩から青年は姿を見せなくなったのです。
そこで糸をたどって行くと、白水の滝にたどり着きました。
そして滝壺を埋めるように大蛇の死骸がとぐろを巻いて沈んでいました。
尻尾に木綿針が刺さっていたそうです。
青年は、滝の主の化身だったのでした。
別の角度から |
似たような話は高知県内にもいくつかありますし、見渡せば日本各地にあるようです。
『古事記』や『日本書紀』にも見受けられるパターンの話なのだそう。
古くからあるんですね。
「三輪式神婚説話」などと名付けられているとのこと。
確かに、奈良県の三輪山(みわやま)の物語はこんな流れですね。
そして日本だけでなく、朝鮮半島や中国、ヨーロッパの南方スラブ族の間にも同じような話があるそうですよ。
おや、虚空蔵山ったら、また話が大きくなってしまいました 笑
さて、そんな伝説のある白水の滝へ行ってみました。
虚空蔵山は、佐川町から登るのがベスト。
山頂を目指すなら「ツツジ園」がある道から登るのですが、白水の滝は「フルーツランド」へ行く途中にあります。
ネットのマップにも載っているのですが、道が消えているのでさっぱり分からない。
住所も案内も目印もないみたいなので、このYouTubeを頼りに行きました。
車で細い道を登り、ちょっと広くなったところに停めさせてもらいました。
あるのか無いのか分からないような道を歩くこと15分くらいでしょうか。
こともあろうに、倒れた鳥居が出現。
ギョッとなる風景でした。
寝転がった人さえもまたぐのに躊躇するのに、鳥居なんて絶対またげない・・・
仕方ないので、すみっこを通ります。
倒れた鳥居 |
そして見えてきました、白水の滝。
高さ約8mだそうです。
水が米のとぎ汁のように白く見えることから名前がついたといわれているそうです。
鳥居が放置されているくらいなので、滝にも木が倒れかかっていました。
滝の左側に白水神社が、右には奥の院とされるお社が祀られていました。
白水神社 |
秋の終わりからあまり雨が降っていないのに、虚空蔵山は水が豊富で驚きました。
4〜11月くらいに行かれる方は、ヘビにご注意ですよ。
ヘビの伝説からスタートした『とさみみぶろぐ』、今年もよろしくお願いいたします。
参考文献 : 佐川町史、桂井和雄さん著『土佐の傳説 第2巻』、宇野薫さん著『滝をゆく〜高知の名爆めぐり〜』
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