どなたかに夢枕に立たれたこと、ありませんか?
亡くなった誰かとか、もしかしたら神様や仏様とか。
夢に出てきたことはあっても、何かを告げられることって少なそうですよね。
起きたら忘れてそうだし。
そういえば、義母(80歳)は夢枕の経験があるそうです。
義祖父が亡くなって間もないころ夢に出てきたらしいです。
親戚の家にネクタイを忘れてしまって気になっている、と。
色と柄も教えてくれたそうです。
次の日さっそく行ってみると、お告げ通りのネクタイが確かにあったとのこと。
心残りがネクタイだったのなら、幸せな気がするなあ。
もしも突然、神様仏様に夢でお告げなんかされたらびっくりしますよね。
いやいやいや、なんで私?みたいな。
まあ信心の深さも関係するのでしょうけども。
さて、高知市から車で2時間ほど西に行くと黒潮町があります。
カツオのたたきで有名な佐賀町と、サーファーに人気の大方町が合併してできた町です。
道路が海岸線に沿って走っているので、景色がいいんですよね。
その黒潮町にある伊田(いだ)トンネルの西側に、観音寺というお寺があります。
今回は、観音寺の境内の小さな祠におわします『お浪地蔵さん』のお話です。
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伊田の観音寺 |
かれこれ100年くらい前の話でしょうか。
お浪さんというお婆さんがいたそうです。
お浪さんは神経痛を患っていて、ずっと寝ていたのだそうです。
ある日、お浪さんの夢枕にお地蔵さんが立ち、
「深ん渕のちょっと上の細い道から2~3m入った藪の中に埋まっているから掘り出してくれ」
と言うのですって。
「そして祀ってくれたら神経痛を治してやろう」
と。
19歳の孫にそのことを話すと、そんな馬鹿なことはないと相手にしてくれませんでした。
しかし、それから1週間、毎晩お浪さんの夢枕に立つのだそうです。
「どうぞ頼むき行ってくれ」
と言われて、孫も半信半疑で言われたところに行ってみました。
するとどうでしょう。
お浪さんの夢に出てきたとおり、お地蔵さんが埋まっていたそうです。
孫もびっくりです。
そこで、深ん渕のところでお祀りしてみたら、お浪さんの神経痛はウソのようにケロリと治ったのだそうですよ。
その後、このお地蔵さんは『お浪地蔵』と呼ばれて、いろんな人がお参りに来たそうです。
特に、神経痛やリウマチにご利益があったとのこと。
場所が不便だったので、皆さんにお参りしてもらえるよう現在の観音寺に移したのだそうです。
観音寺本堂の横に、地蔵堂があります。
のどQの家族にもちょうど神経痛持ちがおりましたので、頼んでみようと扉を開けてみるとお地蔵さんがずらり。
想像を上回る数に怯みましたが、気を取り直して手を合わせました。
しかし、まじまじと見る余裕はなく。
どれがお浪地蔵さんなのかはわからぬままです。
でも何体かのお地蔵さんがおわしたので、メディカルパーク的な感じで専門のお地蔵さんが話を聞いてくれそうな気がするのは、都合が良すぎ?
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本堂脇にある地蔵堂 |
歳を重ねると、神経痛の話を聞くことも多くなってきました。
神経痛にご利益があるお地蔵さま、時々おられるんですよね。
やはり昔からつらい悩みのひとつだったのでしょう。
そうそう、のどQの家族の神経痛ですが、その後良くなりました。
いろいろ試していたので何が効いたのかは分かりませんが、お浪地蔵さんにもお礼参りしてきました。
今回は、もうちょっと心の準備ができています。
しかし扉を開けて、また怯む 笑
信心が足りないから怯むんだぜ。
お地蔵さんが信心深い人の夢枕に立って、どこそこに埋まっているから掘り出してくれという話は、県内のあちこちにあるそうです。
信心が足りてないから、夢枕は夢のまた夢なのだぜ。
参考文献 : 市原麟一郎さん著『土佐の神仏 たんね歩記』、広辞苑
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