72. 乙姫さまと元旦の誓い

 

あけましておめでとうございます。

2024年も高知の伝説を掘っていきたいと思っています。

たいした掘り方ではないのだけれど。

なにとぞ、今年もよろしくお願い致します。




情けないことに、二日酔いで始まりました2024年。

お屠蘇もお雑煮ものどを通らないという体たらく。

一年の計は元旦にあるといいます。

終わった・・・




お昼ご飯を食べたらなんとか復活。

天気も良いので、お気に入りの浜に行ってみることにしました。

高知県と愛媛県のちょうど境にある脇本海岸です。

県道沿いにあるので、車で行きやすいのも◎。

砂がさらっさらで、眺めもよく気持ちのいい浜なのです。


真ん中に見えるのがウグル島、左側が沖ノ島です


砂浜の入り口に大きな岩があります。

そばの石碑に『傍示碆(ぼうしはえ)』と書かれてあります。

土佐と伊予の時代から、この岩が境なのだそうです。

色んな歴史を見てきたのでしょうね。


傍示碆(2023年11月撮影)


この浜の真ん中に赤い鳥居の神社があります。

エビスさんかな?と近づいて行くと、『瀧ノ宮』と書かれてありました。

社殿はなく、海を向いた小さな祠が祀られています。




聞くところによると、瀧ノ宮神社はなんと乙姫さまの祠だそう。

はるか昔、竜宮は波多国(現在の高知県幡多郡)にあり、旅に出た乙姫さまが帰還した浜がこの脇本の浜なのだそうです。

百年前の悪疫を封じたと伝わる祠だそうです。




まさかの竜宮伝説。

浦島太郎の話でしか知らない乙姫さまの別の顔。

浦島さんは竜宮を訪れたけれど、乙姫さまもを旅したのですね。

そんなことを考えながら、海をボーッと眺める時間もいいものです。




こんな面白い伝説があるのならば、今年は愛媛も掘ってみるぜよ。

お邪魔するぜよーーーー!




浜から道へ出ると、少し大きめの草履がぶら下がっていました。

これは、悪いものが入ってこないよう村の境に飾る草鞋ですよね、きっと。

偶然行き当たったのは初めてです。

さすが県境。




大きな地震ではじまった2024年。

こんなにも容赦ないものかと呆然としました。

いつの日か、目の前に広がるこの穏やかな海が豹変する日が来るのでしょう。

今できることを、できる範囲で。

一日一日を大切にしなければと、

二日酔いなんてしてちゃダメだと、

強く誓った元旦でした。




2024年もどうぞよろしくお願い致します。

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