終わってしまいましたね、七夕。
みなさん、願い事を書きましたか?
高知に、一風変わった七夕のお話が残っています。
『七夕さんと祇園さん』
昔々、七夕さんと祇園さんという夫婦がいました。
ある日、祇園さんは瓜畑に見張り番をしに出かけました。
出掛けに七夕さんから『くれぐれもキュウリは食べないように』と言われた祇園さん。
しかしその日は暑くて、喉がカラカラ。
そばには美味しそうなキュウリ。
つい手が伸びてしまい・・・
キュウリを割ると、水が滔滔と流れ出してついには天の川になったのだそうです。
そして、祇園さんと七夕さんは7月7日しか会えなくなりました。
『全国昔話資料集成23 土佐昔話集』より、四万十市大用(おおゆう)で採集したお話だそうです。
駄目と言われた事は、絶対やっちゃう昔話の人たち。
だから言ったのにー。
それにしても、キュウリから天の川、斬新です。
「キュウリを食べちゃダメって言ったでしょ!まったく、もう!」 さめざめ泣くより、叱ってそうなイメージの七夕さん |
『祇園さん』といえば、八坂神社の愛称です。
素戔嗚尊(スサノオノミコト)や牛頭天王が祀られています。
そして、7月には日本各地の八坂神社で祇園祭が行われます。
祇園祭といえば、氏子さんたちはキュウリがタブーなんですよね。
京都の八坂神社の氏子さんたちが、祇園祭のある7月にキュウリを食べないというのは知ってる方も多いと思います。
博多の祇園山笠の時期(7月1日から15日)も同様で、学校給食にも出なくなるとか。
成田山新勝寺の氏子さんたちも、祇園祭の時期にはキュウリを食べないのだそうです。
キュウリの断面が八坂神社の御紋に似ているから、といわれています。
成田山新勝寺は平将門を調伏した、というイメージ。
将門にとっては敵みたいな印象なのですが、ひっくり返って将門のおひざもとでもキュウリを食べないとか作らない地区があるようです。
平将門の家紋である九曜紋が、キュウリの断面に似ているからなのだそうです。
果ては徳川の有名な葵の御紋までもが、キュウリの断面に似てる説に参戦。
江戸の武士は、キュウリを食べなかったとかなんとか。
7月だけでなく、満月の日だったり一年中だったり、全国各地にキュウリを食べない/作らない地区があるようです。
それは高知にも。
宿毛市(すくも)の小筑紫町の一部に、キュウリを作らない地区があります。
きれいに畑を作っているおばあさんに聞いてみると、やはりキュウリは植えないそうです。
昔から言われているから、という事でした。
猿猴の昔話があってキュウリを植えてはいけない、と聞いたことがあるという話もあるので、もう少し調べてみなければ。
でも、この地区の氏神さまはやはり八坂神社なんですよ。
お隣の愛媛になると、厄をキュウリに封じ込めて穴に埋めるというお祭りがあるんですよね。
弘法大師様が伝えたそうです。
土用の頃らしいのですが、四国のニュースで見かけたことがあります。
知らずに見たので、まあまあの衝撃映像としてインプットされてます。
7月のキュウリ。
食べなかったり、封じ込めたり。
すずなりになる時期で、毎日キュウリ食べてる方もいるくらいなのに。
でも、花粉症に似たアレルゲンがあるようなので、食べ過ぎには注意ですよ!
そして来年は、祇園祭はじめ色んなお祭りが、盛大に行えるようになることを心から祈ります。
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