よい天気に、満開の桜。
やっぱり、春はお出かけしたくなりますね!
花粉には悩まされるのですが。
というわけで、香川県に行ってきました。
人気の写真映えスポット『父母ヶ浜』の近くを通ったので、どれ一枚撮ってみようとナビに設定。
香川のウユニ塩湖と呼ばれている浜です。
向かっていると・・・おや?
海に突き出してる、あれは神社なのかな・・・
赤い橋が神社まで架かっていて、なにか異世界感が出ています。
引き寄せられるように、速攻で右折!
駐車場から神社まで、桜がこれでもかと咲き誇っています。
看板には『津嶋神社』と書かれています。
大きな鳥居の向こうには、赤い橋。
美しい民話が始まりそうです。
おまけに、神社までの桜並木の下には踏切が。
電車まで通ってるなんて、オプション盛り盛り、大興奮です。
でも、とにかく橋が気になります。
お参りして橋に行こうとした時、後ろから「カン、カン、カン・・」
あっちもこっちも見たくて、もう、気持ちが追いつかない。
仕方ないので、電車は遠目に見ます。
赤い橋は、残念ながら通れませんでした。
本殿につながるこの橋、『つしま橋』というそうです。
8月4、5日の夏季例大祭の時だけ、渡れるとのこと。
現在は橋の枠組だけになっていて、年に2日だけ板を敷いて橋が完成する模様。
別名『しあわせ橋』といわれているそうですよ。
「橋のたもとに立ち、島から吹く神風を受けることで、
罪・穢れ・病気・悩みなど悪きことが祓われ、清められるのです。」
と、書かれていました。
本殿のある島までは、約250m離れているそうです。
周囲役150mの小島で、ウバメガシが生い茂っているそうですよ。
そして、こんな伝説が。
文禄年間の6月から8月にかけて、この浦に女の歌う声が聞こえてきたのだそうです。
その声を村の人は怪しみたずねてみました。
何も見当たりませんでしたが、巫女さんを介してご神託がありました。
「我は海中に住む神。名は津嶋神という。
今よりこの島に祭るべし。
祠など造る必要は無い。
何よりまず、木を植えるべし。
それが我神体なり。
さすれば、村の子供、牛馬を病から守るなり。」
里の人たちは、鳥居をたてて島に祭りました。
そして、旧暦の6月24、25日に祭りごとを行うことにしました。
これが、現在の夏季大祭の始まりとされているそうです。
昭和45年、こどもの夏休みにあわせて旧暦から今の8月4日、5日に改められたそうです。
かつて津嶋神社は、農耕用の牛馬と子供の守護のとして信仰を集めていたそうです。
農家の方が牛や子供を連れてきて、牛には潮浴びをさせ、子供には海水浴をさせていたそうですよ。
神社の横に、ちょっとした砂浜があります。
スーパームーンの大潮が近づいているこの日は、なかなかの干潮で、アサリを掘っている方もいました。
また、島に自生しているウバメガシを餌に混ぜて食べさせると、牛馬が健康に過ごせるという信仰もあったとか。
そのおかげでしょうか、その昔各地で牛馬の病気が流行した時も、この里では一頭の牛馬も病気にならなかったそうですよ。
昔は大切だった牛馬も、すっかり身近な存在ではなくなりました。
なので現在は、子供の健康・学業・子授けの神様として慕われているそうです。
子授けや安産の神様は聞いたことがあるんですが、子供の神様というのはあまり聞いたことがありません。
家内安全に含まれるというか。
ベビーカーが邪魔だ、公園での声がうるさいなどのニュースもよく目にします。
子供たちを見守ってくれる神様がいるなんて、なんて素敵なこと。
夏の大祭には、子どもを連れたご家族がたくさん橋を渡るそうです。
2日で10万人だとか!
帰り道、また遮断機の降りる音が。
踏切前の特等席で、桜の花びらが舞う中、電車を見送りました。
踏切の横に『津島ノ宮』という風流な名前のプラットホームがあります。
これまた、民話に出てきそうなネーミング。
なんとここ、8月の大祭の2日間だけ使われる駅なんだそうですよ!
ここが臨時駅として認可されたのは、大正4年だというから驚きです。
驚きついでにもうひとつ。
津島神社は、幕末の絵師・二代目安藤広重の手で浮世絵になっているんですって。
歴史があるんですね。
余韻に浸りながら父母ヶ浜に行ってみました。
そう、その日はスーパームーン近づく、なかなかの干潮。
鏡のようになるはずの水辺は、すべて砂浜に・・・
ちっとも映えませんでしたとさ。
参考文献 : 津嶋神社ホームページ http://www.tsushima-jinja.com/event.html
四国旅マガジン Gaja No.47
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